小池氏が、頻繁にカイロに足を運び、カイロ大学や日本語学科と親密な関係を作ってきた第一の目的は、今回のように学歴詐称疑惑が取りざたされたとき、助けてもらうためだろう。事実、サーレハ氏は、小池氏の後ろ盾となって、日本のメディア対応を行ってきた。

小島敏郎氏と日本の大手メディアに期待したいこと

 小島敏郎氏は、4月17日(水)にFCCJでの会見を予定している。

 小池氏の手の内を知り、弁護士の資格も持つ小島氏の会見は、郷原氏と筆者の会見以上に小池氏にとって脅威だろう。同氏は、東大法学部時代に司法試験の他、国家公務員上級試験(法律職)に3番で合格し、大蔵省(現・財務省)にも勧誘されたが、環境行政を志し、できて間もない環境庁(現・環境省)に入ったという気骨のある人物だ。FCCJでの会見では、小池氏の持ち駒の人物などが、会見を混乱させようとする可能性もあるので、十分注意してもらいたいと思う。

 本件は、都知事の学歴詐称という大きな問題であり、告発者の北原百代氏は手紙、小島氏はメールという物証を持っているにもかかわらず、文藝春秋以外の大手メディア(テレビ局、新聞社)の動きはきわめて鈍い。

 小池氏や小島氏の会見などは多少報道したものの、突っ込んだ内容でもなく、しかもずいぶん小池氏に忖度している。今まであまり取材をしてこなかったので、報道できる材料が少ないとか、莫大な広告費を払ってくれる東京都のトップに嫌われたくないといった理由があるのかもしれないが、本件をきちんと報道しなければ、自分たち自身の信頼を傷つけ、読者・視聴者離れに拍車をかけることを肝に銘じるべきだ。