H5N1型の感染が米国で拡大中

 WHOによれば、2003年1月から2024年3月28日までに世界で合計888人が感染し、そのうち463人が死亡している。致死率が50%超と極めて高く、研究者の間で「H5N1型ウイルスのパンデミックが発生するのは時間の問題だ」と危機感が広まっていた。ただ、2010年代半ば頃から流行が急速に衰え、その影はまったく見えなくなっていた。

 ところが、2020年から再びH5N1型が流行し始めた。

 以前はアジアが流行の中心地だったが、今回は欧州から始まり、米国に飛び火した。流行はその後沈静化したが、米国で再び感染が拡大している。

 気になるのは、これまで鳥インフルエンザに感染しにくいとされていた乳牛に感染が広がっていることだ。

 米農務省によれば、68もの乳牛の集団で感染が確認されている(5月下旬時点)。牛の鳥インフルエンザ検査は義務付けられていないことから、実際はもっと広がっている可能性が高いだろう。

 鶏はH5N1型に感染すると死に至る場合が多いが、乳牛は回復すると言われている。

 乳牛からヒトへの感染も起きている。

 米国では3月下旬以降、牛に頻繁に接触していた3人で感染が見つかった。最初の2人は目の充血のみだった(その後、回復)が、3人目は呼吸器症状を訴えている。幸いいずれのケースも軽症だ。

 ヒトからヒトへの感染は現時点では起きていないとされているが、米国ではH5N1型への警戒感が強まっている。