わずか11日でLNG火力発電が止まる

 つまりエネルギーの主力は化石燃料であるが、その化石燃料はほぼ全量輸入である(図1)。

【図1】台湾のエネルギー供給構造(出所:The Resilience of Taiwan’s Energy and Food Systems to Blockade)

 発電部門は石炭と天然ガスに多くを依存している(図2)。

【図2】台湾の発電燃料構成(出所:The Resilience of Taiwan’s Energy and Food Systems to Blockade)

 石油は運輸部門だけでなく産業部門でも多く使われている(図3)。

【図3】台湾の部門別石油製品消費量(出所:The Resilience of Taiwan’s Energy and Food Systems to Blockade)

 そして図2からも読みとれるように、あろうことか民進党政権は脱原発政策をとっており、2025年には原子力発電所は全て停止することになっている。なお2025年の再エネ目標は20%になっているが、これは実現不可能ということで、15%に引き下げられた。つまり輸入化石燃料依存はまだまだ続く。

 この状況で海上封鎖されると、台湾は11日でLNG火力発電が止まり、40日で石炭火力発電が止まる。すると発電の8割が失われる。もちろんいざという時には節約しながら使うにしても、3カ月も持たないだろう。