衆院選不出馬で記者会見する自民党の二階俊博元幹事長=3月25日(写真:時事通信社)

裏金疑惑でひっくり返った自民党の選挙戦略

 ついに衆議院の和歌山“新2区”の自民党公認候補者が決まった。

 和歌山は3つあった衆議院小選挙区が、次回選挙から2つに減る。現在は1区・林佑美氏(日本維新の会)、2区・石田真敏氏(自民党)、3区・二階俊博氏(自民党)が議席を持っている。ちなみに参議院和歌山選挙区は、鶴保庸介氏(自民党)と世耕弘成氏(離党勧告を受け自民党を離党)が占めている。

 小選挙区の区割り変更を受け、従来、自民党和歌山県連は、1区には参院議員・鶴保氏を、2区には二階氏を擁立し、石田氏は比例区に回ってもらう予定だった。

 このプランは自民党の政治資金パーティーの裏金疑惑浮上で水泡に帰した。

 疑惑の主の一人となった現職の二階俊博氏が「次期衆院選には出馬しない」と今年3月に表明。同じく参議院議員の世耕氏が自民党を離党するに至り、新1区から出馬予定だった鶴保氏が「自分がくら替えしてしまうと和歌山県選出の参議院議員がいなくなる」として、くら替えを撤回。これによって和歌山新1区、新2区とも、自民党県連が予定していた候補者が出馬しないという事態に直面することになったのだ。