日本とここまで違う韓国の給食

 給食の配膳と後片付けを自分たちでして、1週間使った白衣は次の人のために自宅で洗濯をする。自分たちの教室は自分たちで掃除する。

 日本に住んでいると当たり前のことが、海外に住むと当たり前でなくなることは多々ある。

 韓国の小学校には食堂があって、食べたら食器を下げるだけである。教室の掃除は業者が入っている。ふた昔前は親が教室の掃除をしに行っていた。このような環境で小学校6年間を過ごせば、大人になった時の習慣の違いは相当なものであろう。

 長男が小学校高学年になってから思春期を過ぎるまで、いつも筆者に叫んでいた不満は、「なんでうちだけみんなと違うの?」だった。でも、17歳の誕生日を迎えた彼は、こういった。

「昔はなんでなんでなんでって思ってたけど、ママの言うことは間違ってなかった。ママは変な人だけどね」

 一言多いが、それでいいのだ。子育てとは、そういうものだ。

「私がおかしいのか、それとも世間がおかしいのか、その戦いだ。答えは大人になってから」

 筆者が息子にいつも言ってきたセリフだ。息子にとっては本当に難しかったと思う。親も韓国社会でたった一人、これを貫くのは生半可な覚悟ではできなかった。

 彼は大人になる前に答えをある程度、見つけたようだ。親も子もここまでで、一度、合格点をもらってもいいのではないだろうか。