LE SSERAFIM(写真:アフロ)

 韓国であの“No Japan”運動がまた始まるのだろうか。いま反日ムードが高まりつつあるのだ。

 きっかけは、個人情報漏えい事件を引き起こしたLINEヤフーに対する日本の総務省の行政指導に対する韓国社会の反発だが、韓国の野党政治家らが過剰に反日扇動したことで、一般市民の中にも反日機運が強まってきたのだ。

(参考記事)「LINEが日本に奪われる!」、LINEヤフーの資本関係変更をめぐり韓国で反日感情が再び爆発

 この事態を緊張の面持ちで見つめているのが韓国の産業界だ。尹錫悦政権発足以降、急激に好転し始めた日韓関係は産業面でも好循環を生みつつあったが、No Japanムードはこれを急速に冷やしかねないからだ。

 そして、真っ先にそのトバッチリを受けてしまったのが音楽産業、中でも2人の日本人メンバーが在籍する人気K-POPガールズグループ「LE SSERAFIM」(ルセラフィム)だ。

竹島に勇んで上陸して日本批判、その様子を撮影したカメラはソニー製

 まず野党政治家の「反日扇動」の様子を見てみよう。

 4月10日に行われた総選挙で、結党間もない新党ながら12議席を獲得するブームを巻き起こした「祖国(チョグク)革新党」の曺国(チョ・グク)代表は、LINEヤフー問題において最も積極的に反日メッセージを出している政治家だ。

 彼は13日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の対日屈辱外交を審判するとして8人の党役員らを率いて独島(日本名:竹島)に上陸、そこで彼は「事態を主導する日本の総務相(松本剛明氏)の母方の祖父が伊藤博文で、朝鮮侵奪の先鋒だった」「尹錫悦政権は親日を越え、従日、崇日政権だ」とし、日本と尹錫悦政権を猛攻撃した。

 ただ皮肉なことに、この日、曺国代表一行の独島訪問の様子を記録した写真は、すべてソニー製のカメラ「ILME-FX3」で撮ったものだった。

竹島に近い鬱陵島(ウルルンとう)に到着した曺国氏一行。ここから竹島に向かった(祖国革新党公式Xより)