4.ロシアやイランの攻撃要領を学ぶ北朝鮮

 イランは、ロシアのミサイルや無人機約300基(機)の飽和攻撃を行った。これは、ロシアのミサイル等の飽和攻撃を完全に真似ている。

 朝鮮半島有事に、北朝鮮がこれらのミサイル攻撃の要領を真似ることは当然のことだろう。

 なぜなら、ミサイル攻撃を行うときは敵に最も大きなダメージを与えたいからだ。

(1)朝鮮半島有事に北朝鮮はロシアとイランから支援が得られる

 では、北朝鮮はロシアやイランと同様の長期間に及ぶ飽和攻撃、各種ミサイルと無人機を使った攻撃を行えるのか。

 北朝鮮は、ウクライナ戦争が終結すればロシアから短距離弾道ミサイルの供給を得られる。

 また、イランから自爆型無人機の供給も当然得られるだろう。

(2)撃ち落とされない打ち落としにくいミサイルの種類が判明

 北朝鮮はロシアのミサイル攻撃を見て、最も効果的な方法を知った。

 高速で飛翔する弾道ミサイルには、撃墜することが難しいもの、全く撃墜できないものがあるということだ。

 撃墜できていないミサイルは、超音速爆撃機「バックファイア」から発射される「Kh-22」ミサイルである。

 また、パトリオットミサイルでは撃墜できるが他のミサイルでは撃墜できないのが、空中発射の「キンジャール」や地上発射の「イスカンデルM」弾道ミサイル、極超音速巡航ミサイルである。

 今回このことが判明した。

 北朝鮮は地上発射の極超音速滑空弾の実験を行っている。しかし、これが100%撃墜されないほどに成功するかについては、難しいと見ている。

 なぜなら、ロシアは現在、極超音速滑空弾搭載の短距離弾道ミサイルを保有していないし、実戦で使用してもいないからだ。