視聴者を驚かせたTOTOのあのコピー

【世の中の疑問を投げかける】 
例:「おしりだって、洗ってほしい。」

 このコピーは、TOTOのウォッシュレットがデビューしたときのキャッチコピーです。当時は「お尻はトイレットペーパーで拭くもの」でしたが、シャワートイレの良さを知った日本人は公共のトイレにも設置するようになりました。

 第2回「8つの欲求を刺激する」ご紹介したハズキルーペの「本当に世の中の文字は小さすぎて読めない!」も、世の中の疑問を投げかけることで成功した例とも言えます。

 私たちが常識だと思っていることでも、「言われてみると、たしかに問題があるよね」という疑問を投げかけられると、次が読みたくなるのです。(第5回「コピーライティングに不可欠な「共感」」に続く)

中村 ブラウン

 1962年、東京都生まれ。広告クリエイター、集客コンサルタント、ラジオDJ。
 電通グループの広告代理店などでシニアコピーディレクターとして、20年以上にわたってBMWのブランディングを支えてきた。「全日本DM大賞」をはじめ国内外での受賞歴を持つ。独立後はオフィスブラウン代表として、BMWを筆頭に、スズキ自動車、三菱自動車、KDDI、富士フィルムなどのマーケティングに関わり、現在は中小企業を中心に広告戦略の立案やクリエイティブを提供。ブランディングやダイレクトマーケティングについてのコンサルタントを行っている。また、映画『うなぎ』でカンヌグランプリを獲得した脚本家・冨川元文氏に師事し、日本で最も権威あるNHKの脚本コンクールにおいて3度連続でファイナリストに選出。
 著書に『小さな会社だからこそ、DMは最強のツール!』(WAVE出版)。FM番組に「中村ブラウンのAIラジオドラマ ~人生って、ドラマなの?!~」(市川うららFM 83.0MHz)がある。