トランプ大統領の就任以降に緊張高まる

 英BBCによると、革命防衛隊はイラン経済にも大きな影響力を持っています。軍事産業ばかりか、住宅建設、インフラ開発、石油ガスプロジェクトにも手を広げ、利益を上げているのです。防衛隊はあらゆる面で、厳格なイスラム国家を支える骨格になったと言っても過言ではありません。

 米国のブッシュ(子)政権はイラク戦争の前年の2002年、イラク、北朝鮮、イランの3カ国を「悪の枢軸」と呼び、非難を強め、イランの強い反発を呼びました。

米国のイラン核合意離脱に抗議するデモ=2018年、テヘラン(写真:AP/アフロ)

 ただ、次のオバマ政権は関係改善を模索。2015年に好機が訪れます。核開発疑惑の消えないイランと米欧などの6カ国が核合意を結んだのです。イランの核開発を制限する代わりに、米欧がイランに科してきた経済制裁を解除する内容でした。

 核施設の査察を担当する国際原子力機関(IAEA)は「イランが合意を順守している」と認めていました。しかし2017年に「自国第一主義」を掲げるトランプ氏が大統領に就任すると、米国は翌年、一方的に合意から離脱。その後、イラン経済は厳しさを増し、米国とイランの緊張が高まりました。