SNSで「第3次世界大戦」の懸念広がる

 イスラエルは現在、パレスチナ自治区ガザへの侵攻も続けています。ガザの死者はすでに3万3000人を超えました。世界銀行と国連が共同でまとめた報告書によると、人口230万人の半数以上が「飢餓一歩手前の状態」にあり、100万人以上が家を失いました。

 水道・衛生設備はほぼ壊滅し、5%しか稼働していません。乳幼児は生涯にわたり発育面の影響が残ると予想しています。

 そうしたなか、イスラエルによるガザの空爆で米NGOの職員7人が亡くなった問題を受け、バイデン米大統領はイスラエルの強硬姿勢に難色を示すようになりました。一方、英紙ガーディアンは、イランの攻撃によってイスラエルが「被害者」となり、ガザへの国際的な関心が薄れることを懸念するパレスチナ人の声を伝えています。

 イスラエルの絡む中東地域の戦闘は拡大するのか、沈静化に向かうのか。

 SNS上ではイランによるイスラエル攻撃を受け、「第3次世界大戦か」「核が使われるのではないか」との声も出ましたが、そうした最悪の事態に至らないようにするためにも中東情勢への注視は欠かせません。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。