ゲートの向こうには廃止された竜飛海底駅が

 展示場を抜けると、正面に立ち入り禁止のゲートが見える(地図③)。この先に廃止された竜飛海底駅と、現在新幹線が通る青函トンネル本体がある。現在一般人がこの先に行く方法は残念ながらなくなっている。

 坑内探索の20分はあっという間に過ぎた。再び体験坑道駅に引き返し、もぐら号に乗車する。

 こうして下から見上げると、斜坑を通り地中深く潜ってきたケーブルカーが、まさに「もぐら号」という名前にふさわしい気がする。

 以上で約45分の体験坑道ツアーはおしまいだ。

 雪深い青森なので、この路線(と青函トンネル記念館)は冬季は閉鎖されてしまう。さらに今期はもぐら号の損傷が重なって再開が危ぶまれたが、クラウドファンディングのおかげで修繕が実現し、2024年4月19日に営業が再開された。

 この路線は、春めいてきたこれからが訪問にちょうどよいシーズンとなる。もぐら号を応援する意味でも一度は訪れていただきたいトンネル駅なのである。

 体験坑道見学ツアーの様子(フルバージョン)はこちら(約11分)。

 山岳トンネルの中、地中深くに作られたそのほかの「トンネル駅」については、こちらの記事で紹介している。
なぜ駅をわざわざそこに作った?数少ない「トンネル駅」が地中深くに誕生したふしぎな理由