製薬大手、相次ぎ肥満症薬開発へ

 他の製薬大手も相次いで肥満症薬の開発に乗り出しています。米バイオ医薬品のバイキング・セラピューティクスも肥満症薬を開発中で、2024年2月27日には注射型の治療薬「VK2735」の中間段階の臨床試験結果を公表。週に1回の投与した患者の平均体重が13週間後に最大で14.7%減少する効果があったと明らかにしました。

 新薬の製品化や今後の業績拡大を期待され、翌28日には上場来高値を更新。3月下旬には錠剤型の初期臨床試験で最大3.3%の減量効果を得られたとする結果も公表しています。

 デンマークのバイオ医薬品のシェラン・ファーマも肥満症薬を開発中で、2024年2月末に高い有効性が確認された臨床試験の結果を公表し、株価が急騰しました。

 2024年3月下旬には、米国の製薬大手アムジェンも肥満症薬市場への参入を検討していると現地メディアが報道しています。アムジェンが開発している肥満症薬はノボノルディスクなどに比べ、注射の頻度が少なく効果が得られると言われています。

 他にも、米ファイザーやスイスのロシュなども肥満症薬の開発を急いでいます。日本勢では塩野義製薬も「ウゴービ」とは違う仕組みの経口剤による肥満症薬の開発を進めています

 肥満症薬ではありませんが、大正製薬が日本で初めてとなる内臓脂肪を減らす薬「アライ」を4月8日に発売します。「アライ」は食事に含まれる脂肪の一部を吸収せずそのまま便として排出することで、内臓脂肪や腹囲を減らす働きがあると言います。

「アライ」の価格は、18カプセル(6日分)で2530円、90カプセル(30日分)で8800円。18歳以上かつ腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上で、生活習慣改善の取り組みを行なっていることなどが条件となりますが、薬剤師のいる薬局などで購入できる市販薬として販売されます。