投資家はなぜダウの動向に一喜一憂するのか

 ダウの動向は、常に世界中の投資家や企業経営者、金融当局、政治家らに注視されています。国内総生産(GDP)世界一を誇る米国。その景気動向の先行指標として広く認知されているためです。世界経済や国際情勢の今後を予測する際、ダウのトレンドは無視できません。

 ダウ以外の代表的な米国の株価指数としては「NASDAQ100」があります。新興企業を中心としたNASDAQ上場企業のうち、金融業を除く企業の時価総額(1株当たり株価に発行済み株式総数をかけて算出)の上位100社で構成しています。また、「ダウ」と同じS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している「S&P500」はダウより広い業種から米国の大企業500社が選ばれています。

 機関投資家やアナリストなどの専門家はダウだけでなく、より多くの銘柄で構成されるNASDAQ100とS&P500も重視するケースが多いものの、一般投資家に圧倒的人気なのはやはりダウです。ダウは他の2つより歴史がはるかに長く、慣れ親しまれてきたからです。

 米国を超えて商品やサービスを世界に提供する国際的企業を中心に構成されていることも人気の理由です。例えば、日本でも一般投資家が利用する証券会社の取引画面では、日経平均と共にダウが表示されていることが当たり前です。ダウの代わりにNASDAQ100やS&P500を表示するケースはあまり見かけません。