原子力での協力〜シーレーン封鎖でも発電継続を可能に
原子力の利用には、軽水炉のような既存技術に加え、SMR(小型モジュール原子炉)のような新技術の推進が含まれる。
原子力の推進は、エネルギー安全保障強化(およびCO2削減)および経済の繁栄のために日米が合意できる最も重要な柱となる。
エネルギー供給は、化石燃料のほとんどを海外から輸入している日本にとって、アキレス腱である。
特に石油は90%以上を中東から輸入しており、そこには地政学的リスクが存在し、また日本へのシーレーンには多くのチョークポイントが存在する。南シナ海や台湾周辺での中国の軍拡は、日本のシーレーンに新たなリスクを加えている。
第二次世界大戦では、米国は海上貨物輸送を攻撃することによって日本のシーレーンを寸断した。これが日本の米国に対する敗北につながった。シーレーンが寸断され、エネルギー供給が途絶えれば、次の戦争でも同じように日本は敗戦するかもしれない。
このためシーレーンが封鎖されても発電を続けることができる原子力は、日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要である。
経済的利益という点では、日本企業はすでに米国でSMR事業に参加しており、この協定によって恩恵を受けるだろう。米国も日本の原子力発電事業に参加しており、彼らも恩恵を受けるだろう。
この協定はまた、日本の原子力推進に不可欠な、政治的なサポートを安定化させる効果があるだろう。