1月19日、国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)は、東京都港区の品川インターシティホールで第1回のシンポジウムを開催した。
題目は「国家財政の見える化実現に向けて~先の見えない国家財政・・・私たちはどう向き合えばよいのか?」。
広い会場にもかかわらず生団連関係者が数多く集まり、ほぼすべての席が埋まっていた。国家財政に対する危機意識の高さがうかがわれる。
シンポジウムは4人の基調講演とパネルディスカッションからなり、まず生団連会長の小川賢太郎ゼンショーホールディングス会長兼社長が、歯止めの利かない歳出増に強い危機感を示した。
日本の政治は巨大なバラマキ機関
「日本の政治は巨大なバラマキ機関に成り下がっている。このままでは財政破綻は目に見えている。何とかしなければ日本に未来はない」と、生団連として初のシンポジウムを企画した理由を説明した。
生団連は2011年に当時ライフコーポレーションの会長兼CEO(最高経営責任者)だった清水信次氏(故人)が立ち上げ(立ち上げの経緯などについてはこちらの記事を参照)、2017年に現在の小川氏が会長に就任した。
小川会長になり、「国家財政の見える化委員会」など5つの委員会を立ち上げ、生活者の目線で日本が抱える課題の解決策の検討を始めた。
(その他の委員会や最重要課題への取り組みは生団連ホームページ参照)
国家財政の見える化委員会では、キリンビールの堀口英樹社長が座長となり「3カ年複数年度予算制度」を提言、調査研究や議論を重ねてきた。
「国家財政の見える化委員会の委員は、日本同様に財政破綻の危機にあるスウェーデンまで調査に行った。それだけでも私たちの本気度が分かるでしょう」と小川会長は言う。
単年度予算では各省庁の省益や業界の既得権益でがんじがらめになり、ちょっとやそっとでは予算案を大鉈を振るうことはできない。
そこで3年程度の複数年度予算を採用して、無駄を排除し必要なときに必要な予算をしっかりつけられるように改革しようというアイデアだ。
しかし、こうした提案にも政治家の反応は鈍い。「口では良いアイデアですねと言いながら、さっぱり動こうとしない。改革に対する意志が全く感じられない」と小川会長。
そこで、生団連として政治家や役所にアプローチするだけでなく、日本国民一人ひとりが財政に対する見識を高め、選挙を通じて政治家を動かして行く努力が必要と考え、今回のシンポジウム開催となった。