大増税に向けて着々と準備が進められている。まずは復興増税、そして増え続ける社会保障費を賄うための恒久増税という順番のようだが、果たして消費税を上げればどん底に見えるこの状況から日本経済は立ち直れるのだろうか。
日本国債のXデーを早めた政府と政治家、金融機関
日本の国債利回りがギリシャやイタリアのように跳ね上がる日本国債のXデーが刻一刻と近づき、何とかしなければならないという財務省の思いは分かる。しかし、それが増税でいいのか。
最も安易な道として、当面は取り繕うことができるだろう。しかし、その代わりに日本経済は子供たち世代の大切な未来を失うことにならないのか。極めて心配である。
増税推進の旗を振る経団連と、その経団連とともに歩んできた大新聞は、増税実現のためにあの手この手で国民に増税やむなしの気持ちを植え付けようとしている。こうしたプロパガンダや新聞記事を私たちは注意して見なければならない。
小泉純一郎元首相による改革路線を振り出しに戻すどころか逆回転させて、国債のXデーを早めてしまった政府と行政の責任も重いが、デフレ経済下での手っ取り早い儲け先として国債を引き受けられるだけ引き受けて、将来の日本経済の成長を担う中小企業やベンチャーに対する投資を徹底的に怠ってきた金融機関もまた、そのお先棒を担いできた。
そして愚かな金融政策を続けることで超円高を長引かせ、製造業の空洞化を一気に進めて、期待できる税収先を国外に転居させてしまった。
ついに立ち上がった日本の内需産業
こうした政策のツケが増税として国民に払わされるわけである。
増税では日本経済は立ち直らないから、増税を始めたあと改革に着手しようという方便だろうが、いままで何もしなかったどころかマイナスの政策や戦略しか取れなかった人たちに、改革が期待できるわけがない。
私たちは何もできない政治家や経団連、大新聞の方便をそろそろ見抜かないと、日本経済は本当に取り返しのつかないことになる。
実は、経済界の中にも増税に対して明確に反対を表明する団体が12月2日に立ち上がった。国民生活産業・消費者団体連合会、略して生団連という。食品や流通、小売など内需産業を中心とする団体である。