(国際ジャーナリスト・木村正人)
頼氏「中国の攻撃や軍事的威嚇に直面した時、台湾を守る」
[ロンドン発]台湾総統選の投開票が13日行われ、中国との統一を拒否する与党・民主進歩党(民進党)候補の頼清徳副総統(64)が558万6019票(得票率40%)を獲得して初当選した。
ただ同時に実施された立法委員(国会議員)選(議席数113)では、政党別の得票率でこそ民進党はトップに立ったが、議席数では対中融和路線の最大野党・国民党が52議席を得て第1党になった。
総統選の開票結果は国民党の侯友宜・新北市長(66)が467万1021票(得票率33.5%)、野党第2党・台湾民衆党の柯文哲・前台北市長(64)が369万466票(同26.5%)。国民党と民衆党が候補を一本化できなかったため選挙戦は頼氏優位に進んだ。頼氏も他の2候補と同じく統一でも独立でもない「現状維持」を唱えたが、中国は独立派とみなしている。
頼氏は当選後の記者会見で「2024年世界選挙イヤーにおける民主主義陣営最初の勝利を台湾は成し遂げた。民主主義と権威主義の狭間で台湾は民主主義の側に立つことを選択したと世界に発信した。外部勢力の介入に抵抗することに成功した。しかし立法院で過半数を維持できなかった。有権者は有能な政府と効率的なチェック・アンド・バランスに期待している」と語った。
「台湾海峡の平和と安定の維持は私の総統職の重要な使命だ。現状を維持し、相互の尊厳を前提に“封じ込め”を“交流”に、“対立”を“対話”に置き換え、中国との交流と協力に取り組む。両岸(台中)の人々の幸福を増進し、平和と共栄の目標を達成する。しかし中国の攻撃や軍事的威嚇に直面した時、台湾を守る決意だ」(頼氏)