ドイツの飲食店こそ、良き日本的雇用を実践!?

 日本では学生アルバイトが主要なスタッフとなっているが、ドイツではその数が少なく、割合は一割程度にとどまっている。日本では主婦パートも多いが、これもドイツでは少数派であり、子どものいる女性は、保育園などに子どもを預けて、フルタイム正社員として働いている。

 また正社員であるスタッフは長勤続である。勤続10年以上の人も多く、40~50代のスタッフでは勤続20年以上という人も少なくない。その間に店舗の中で、キャリア・アップをしながら昇進・昇給していくのである。

 日本の飲食店は、日本的雇用とは対極的な位置にある、非正規中心職場をつくってきた。それに対し、ドイツのマクドナルドは、むしろ日本的雇用のようである。自分の店舗に忠誠心をもち、長く勤続しながら、そこで昇進・昇給しつつキャリアを形成していくフルタイム正社員の世界となっているのである。>>前編:なぜエッセンシャルワーカーの給料は安く、“ブルシットジョブ”は高いのか?