資金難、マイクロソフトが巨額出資

 この組織変更の背景には、大規模なクラウドコンピューティングへの投資や優秀な人材の確保など開発に多額費用が必要となったことがあります。この時点までに寄付は1億3000万ドルにとどまっていました。

マイクロソフトはオープンAIに巨額の出資をしてきた。右はマイクロソフトのサティア・ナデラCEO(写真:AP/アフロ)

 手を差し伸べたのが米マイクロソフトでした。同年、マイクロソフトはこの営利企業に10億ドルを出資したと発表。2023年1月にも更なる追加投資を明らかにし、マイクロソフトの投資額投資額は100億ドル規模に達すると言われています。

 ただ、出資者への利益には上限が設定され、超えた場合は非営利組織であるOpenAI, Inc.に還元する構造をとっています。また、全体の意思決定は依然として、非営利組織の理事会(企業の取締役会に相当)が握っています。2023年11月のアルトマン氏の解任騒動前までは理事会は6人の理事で構成され、過半数はオープンAIの株式を所有しない独立した理事としていました。

イーロン・マスク氏は設立当初、共同議長だった(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 イーロン・マスク氏は自身がCEOを務める米テスラのAI開発などと利益相反になる可能性があるなどとし、2018年2月にオープンAIを離れています。