6.崔龍海委員長がパンについて指導している構図
この写真には、北朝鮮のナンバー2と言われる最高人民会議常任委員会委員長の崔龍海氏とその随行者およびパン製造関係者が写っている。
崔龍海氏がパンを手に取って指導している構図だ。
視線がすべて合っていることから合成写真ではなく、4人で一緒に撮影したものだろう。
6.パンについて指導する崔龍海委員長
この写真は、西側に住む者から見れば、異常なのである。
西側では、パンはベーカリーで製造し、市民が好き勝手に購入する。だから、パンを製造するのに政府関係者が視察することはない。
指導に関係なく、美味しければ売れるし、美味しくなければ売れない。資本主義社会では当然の原理である。
委員長の側近もパン工場関係者もキッチリ整髪しており、特別な行事のようである。
また、委員長の頭の上には、パンが「縦」に並べてある。やわらかいパンは形が崩れないように、横にして置くのが普通である。
なぜこの構図が国営通信の写真に掲載されるのか。西側諸国では、絶対にあり得ないことだ。
北朝鮮では、パンは高級品であり、人民が食べられるものではないということを証明しているようなものだ。
だから、北朝鮮のナンバー2が直々に指導しているのだろう。
また、パンが「縦」に並べられているということは、固いパンなので、縦に並べても形が崩れないということだ。
北朝鮮は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を製造している国家でありながら、国家のナンバー2が「パンを製造する」ことを指導しなければならない国なのだ。
また、直々に指導する姿を国営通信で発表することは、かなり異常である。パンは、人民が食べられる食べ物ではないということなのだろう。
これは、北朝鮮の食糧事情を垣間見られる写真である。