もう明日は近所の発熱外来に行こうと考えていた。ところが夜中の1時30分ごろ、ヘッドフォンをテレビから取り外そうとして、頭をちょっと下げただけで畳に突っ伏したのである。
もうだめだ、がまんできん。
なかなか病院が決まらず
その瞬間に決した。救急車を呼んだ。これからの残された時間が5年あるのか10年あるのかわからんが、こんな状態で過ごすようになったのではたまらん、と思ったのである。
救急車に乗ったのは2018年がはじめてであった。脳梗塞だったのだが、あのときは呂律が回らない、半身不随で歩けない、とひどかった。
しかし今回は2回目だから、もうなんの躊躇もない。近所にきたらサイレンは鳴らさないように、など、一切頼まなかった。
すぐ救急車が到着した。玄関まで二人の隊員が入ってきてくれた。寝たままの状態でシートに乗せられ、ストレッチャーに移され、車に収容された。問診が行われ、聞き取りを終わると、隊員のひとりが病院に収容依頼の電話をかけ始めた。
5年前の脳梗塞のときは、病院がきまるまで3、4回かけたと記憶する。わりと早かった気がする。
しかし今回は8カ所目でやっときまった。若い隊員は1回1回相手にわたしの病状をつたえ、断られるということを繰り返した。その都度、どんどんとおくの病院になっていくのがわかった。
電話をうけた看護師が先生に伺いをたてるので、時間がかかるらしかった。満床だとか熱が高すぎるというのが主な理由だった。
かれらは、一番最初にかけて先生が処置中で手が空いていないという理由で断られた病院にもう1回かけてみるかといってかけたら、OKが出たのである。ホッとした。
2時に救急車に乗って、病院が決まったときは3時半になっていた。それでもふたりの若い救急隊員にはよくしていただいた。感謝の言葉もない。
こんな症例があるなんて
病院で診てくれたのは若い女医さんとベテラン看護師。採血と、コロナとインフルエンザ用の鼻孔粘膜チェック(うわ、かなり奥に突っ込むんだねえ、と声が出た)、あとは念のためということでCTスキャンを撮った。