シェアオフィスをあえて「交流型」としたのはなぜか?
町長選に出馬する前、町役場の魅力づくり推進課の係長だった西村氏がそらやのプロジェクトを進めたのは、増え始めた空き家の活用というだけでなく、地域の人に、よそ者に慣れてもらうという意味もあった。
空き家の活用や久山町を面白く、魅力的にしていくためには外部の血が不可欠。ただ、昔ながらの閉じたコミュニティで暮らしている地域住民はよそ者に対する抵抗感がある。その拒否反応を薄めるために、よそ者と触れる場が必要だと考えたのだ。
実際、そらやの整備について地域住民に相談すると、「夜遅くまで騒がしくなる」「バーベキューをするんじゃないか」「火の不始末が怖い」など、住民からはさまざまな懸念の声が上がった。
ただ、実際にそらやが完成し、利用者が企画したマルシェなどのイベントで交流し始めると、地域のお年寄りは利用者のよき理解者になった。そらやの利用者が地域との交流に前向きだったという要素も大きいが、実際によそ者の顔を見て話をしたことで、自分たちと変わらない普通の人だということがわかったのだ。
現在、そらやには建築設計やまちづくりのプランニングの環境デザイン機構や金物のクラフトアートを手がける鎚絵など5社が入居している。




また、「親和荘」という名の高齢者住宅もアトリエに変えた。