不正が発覚すれば多額の損害賠償を求められることも

 住宅金融支援機構では、こうしたフラット35の不正利用が絶えないため、融資後の利用状況の調査を行っている。

 毎年、住宅ローン減税の申請のため年末残高の通知を送付するが、賃貸住宅化して本人が住んでいなければ通知が届かないので、どういう状況なのか詳細な調査が入ることになる。そのほか、住宅金融支援機構では、融資実行後、定期的に融資住宅の利用状況を調査している。

 その結果、不正が発覚した場合には、次のような対応を取ることになっている。

(1)不正が判明した融資の残債務の一括返済請求
(2)不正事案の警察への通報
(3)不正に関与した事業者の監督官庁への通報
(4)不正を行った者に対する損害賠償請求
(5)不正に関与した取扱金融機関に対する処分

 一括返済を求められると、建物を失ったうえに返済は続くといった事態になりかねないが、悪質なケースに加担したことが明らかになれば、警察に通報されて書類送検などの処分を受け、損害賠償を求められる可能性もある。

「知らなかった」「悪意はなかった」では済まず、一生のキズになるので、くれぐれも不正利用に乗せられないようにしたいものだ。