年収の低い若者が狙われている!
仮に被害者が建物を売却しようとしても、悪質業者が勧める物件の中には粗悪な建物も多く、売りに出しても購入額よりかなり安くなってしまうケースも多い。
たとえば、5000万円で購入させられた物件が4000万円でしか売れないと、売却しても1000万円のローンが残り、その返済が続くことになる。手持ち物件を失ったうえに、借金だけが残るという悲惨な状態だ。
その返済条件が当初と同じ1.86%、35年返済で継続できたとしても、毎月3万円以上の返済になる。10年返済への短縮を求められれば9万円台の返済になる。軽い気持ちで勧めに乗ってしまうと、取り返しのつかないことになってしまうのだ。
フラット35の不正利用を勧める悪徳業者が絶えない理由としては、フラット35は比較的年収の低い人でも利用できるため、若くてもまだ住宅や投資などの知識がさほどない人がターゲットにされやすいという面がある。
通常、民間金融機関では住宅ローン融資の条件として「安定した収入のある方」となっている。年収400万円以上の人がメインで、それ以下の人は融資を受けにくいといわれている。
それに対して、フラット35は年収400万円未満の人も、返済負担率が30%以内であれば融資が可能となっている。そのため、比較的年収の低い人が狙われやすいので、特に若い人ほど注意が必要だ。