政治との癒着は困るが経済界の協力は国の発展にとって重要でもある(写真は尹錫悦大統領、4月28日米ハーバード大学での講演で、写真:ロイター/アフロ)

「韓国の経団連」ともいえる経済団体が紆余曲折の末、何とか新しいスタートを切った。

 かつて「政経癒着の温床」と強い批判を浴びたが、サムスンなど4大財閥が再加入し、名称も変更して出直すことになった。

 2023年8月22日、韓国の経済団体である全国経済人連合会(全経連)は臨時総会を開いた。

脱退していた4大財閥が再加入

 朴槿恵(パク・クネ=1952年生)政権末期の2016年に起きたスキャンダルで、全経連は「政経癒着の温床」とのイメージが定着し、サムスンなど4大財閥はそろって脱退した。

 いまだに批判が消えない中で、4大財閥の再加入がこの日決まったが、どんな役割をできるのかは依然不透明だ。

 そんな中で会長に就任したのは、知日派、知米派ではあるが、一般の知名度はほとんどない中堅企業グループの総帥だった。

 8月22日の総会では、3つのことが決まった。

 まずは、傘下のシンクタンクである韓国経済研究院を吸収・統合して団体名を全経連から「韓国経済人協会(韓経協)」に変更した。

 さらに、脱退していたサムスン、現代自動車、SK、LGグループ企業15社が再加入した。

 3つ目に、空席だった会長に中堅企業グループ、豊山(プンサン)グループの柳津(リュ・ジン=1958年生)会長が就任した。

「全経連55年ぶりに韓経協に 4大グループいったんは合流」

 韓国の聯合ニュースが8月22日につけたのは、こんなすっきりとしない見出しだった。