3か国首脳会談の後に記者会見に応じる各国首脳(8月18日キャンプ・デービッドで、写真:ロイター/アフロ)

髪を染めても欧米人にはなれない

 キャンプ・デービッド山荘での日米韓首脳会談は、歴史的な「東アジア版クアッド」を構築した。

 中国が苛立っていることは想像に難くない。

 中国の外交の最高責任者、王毅国務委員は会談に先立ち、こう吐き捨てるように言っていた。

東アジア人がいかに髪を金髪に染めようとも、低い鼻を整形して高くしようとも、しょせん欧米人にはなれない」

「人は自分のルーツがどこに繋がっているか知っておく必要がある」

 日韓の米国との共有する価値観を基盤とした安全保障、経済安保での完全一体化には限度があることを突いたのだ。

 日韓ともに、そのへその緒は中国を師とする漢字圏文化、儒教思想と繋がっている。だから中国とは離れられないという自信を示したのだろう。

 国家とは、第三国からの脅威から守るために言語や習慣、文化、人種を乗り越えて同盟関係を結ぶという、近代社会のパターンを全く知らない王毅氏でもあるまい。

China blasts US-Japan-South Korea summit, warns of ‘contradictions and increasing tensions’

韓国の尹錫悦大統領を褒めちぎる米メディア

 米メディアは総じて、今回の3首脳会談をポジティブに報じた。

 ワシントン近郊のキャンプ・デービッド山荘での首脳会談で、日米韓の3か国連携強化に向けて新たな決意を固めたことで、「新たな時代の幕開け」と評価した。

 特に、韓国の尹錫悦大統領が北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の軍事的台頭など変化する戦略的環境への危機感を背景にしたとはいえ、日韓両国の足かせとなってきた慰安婦や元徴用工などの歴史問題を乗り越えたことで日米韓首脳会談の定例化ができたことを特記した

 一向に支持率の上がらないバイデン大統領だが、キャンプ・デービッドでの成果を米メディアは称賛している。

U.S.-Japan-South Korea Summit