岸田首相は漁協に理解を求めたが・・・

 日本では21日に岸田首相が全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と首相官邸で面会して海洋放出に理解を求めた。そして翌22日に閣議が開かれて海洋放出が決定された。

日本でも官邸前で抗議デモがあった(写真:つのだよしお/アフロ)

 こうした日本政府の動きに合わせて、汚染水放出反対の先鋒に立ってきた韓国の野党「共に民主党」は激しく反応している。パク・クァンウン院内代表(日本の国会対策院長に該当)は22日の午前中に国会の一室で、「党をあげて汚染水放流処置に対する非常行動」をとると述べ、韓国国民の「85%が反対する汚染水海洋投棄」を決定した日本は「歴史的に後悔することになるだろう」と非難した。

 また同日午後、同党の李在明(イ・ジェミョン)代表は日本福島汚染水放流決定糾弾会議を開き、「最悪の環境破壊」だと非難したうえで、「国民安全非常事態」を宣言した。

 さらに日米韓首脳会談で海洋放出が議題に上らなかったことについては、「海洋放出をやめさせる最後の機会であった今回の首脳会談でも、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はただ手をこまねいて見ているだけだった。国民の生命と安全を守らねばならないはずなのに、その職務を完全に放棄した」と矛先を政敵の大統領にも向けた。