8月24日午後1時ごろ、政府は福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を開始しました。処理水の放出をめぐっては韓国や中国などで反対の声が根強く、国内でも漁業関係者などの間で風評被害が懸念されています。JBpressに掲載してきた処理水関連で読まれた記事をまとめました。(JBpress編集部)
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◎福島「汚染水」放出決定で反日感情をあおる韓国メディア、再び政争のネタに
野党は「国民安全非常事態」を宣言、尹政権の命運を左右(8/22 JBpress掲載)
(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
8月22日、政府は福島第1原発の処理水を海洋放出することを決めた。早ければ24日にも開始する。これを受けて、韓国テレビ局では反日感情をあおるような報道が目立った。処理水をめぐる韓国の抗議は一時下火になっていたが、再び政争のネタとして取り沙汰されている。《続きを読む》
◎予想外の展開、日韓の若者たちは歴史問題・原発処理水問題をどう語り合ったか
等身大の韓国留学記(7)~日韓青年パートナーシップに見た日韓関係の未来(7/25 JBpress掲載)
(韓光勲:在日コリアン3世ライター)
福島の原発処理水放出問題について発表したグループもあった。韓国の学生はこの問題をどう考えるのだろうか。発表は処理水の放出方法から始まって、IAEAの報告書の客観性を説明し、アメリカや中国の対照的な反応を紹介するという構成だった。
僕は、発表していた韓国の男子学生(19)に「とても素晴らしかったです、感動しました」と握手を求めた。学生は「野党の国会議員は日本を批判して票を集めたいだけですよ。だって、IAEAのレポートが信じられなかったら、一体何を信じるというんですか? 韓国でもちゃんと科学的な理解をする人が増えることを願っています」と語っていた。《続きを読む》
◎税金ですけど何か?処理水放出、科学的根拠のない批判対策にブッコミ800億円
不安を煽って不必要な税金の無駄遣いを誘発している大手メディアも問題では(7/20 JBpress)
(山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員)
経済産業省は科学的に無害なことが証明されているALPS処理水の海洋放出に関して、風評被害対策として800億円の予算を計上したが、その資金で実施される補償や対策は地元漁協に対する救済が中心だ。
福島第一原発事故により、生活の基盤が脅かされた漁業関係者の経済基盤を復興することは必要なことだが、風評被害対策の基金を漁協にばらまくのはEBPM(根拠に基づいた政策立案)としていかがなものか。
科学的に無害にもかかわらず、不安を煽り、予算を組めと主張しているに等しいメディアも共犯関係にある。《続きを読む》
◎日本の食品輸出がピンチ、中国が処理水を口実に日本のコメ、菓子にも嫌がらせ
中国の税関で留め置かれる日本の水産物や農産物、食料を使った露骨な揺さぶり(7/31 JBpress掲載)
(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
日本から輸出した水産物が、中国各地の税関で長い間、検査のために留め置かれる。水産物は冷凍でも日持ちがしない。税関に留め置かれることで、中国には輸出ができないことになる。事実上の中国による輸入禁止措置だ。日本の水産物は、中国が最大の輸出相手国で、昨年の輸出額は871億円にのぼる。日本の水産業への打撃も大きい。《続きを読む》
◎福島原発処理水に猛反発の韓国、中国のトリチウム放出には沈黙のなぜ?
急速に沈静化した抗議運動、不可解なメンタリティー(7/29 JBpress掲載)
(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
福島第1原子力発電所の処理水海洋放出に対する韓国の猛反発が、かつての勢いを急速に失っている。放出本番を前に勢いを失った理由は定かではないが、そもそも科学的根拠がない抗議だったために持続力はなかったのかもしれない。福島第1原発以上に放射性物質を放出している中国の原発には関心が薄く、「日本だから粗探しをしたくなる」という韓国特有のメンタリティーがありそうだ。《続きを読む》