NHKは甲子園中継をやめるべき
玉木:新しい価値を発信していく、広げていくためには、マスメディアの力は必要不可欠です。しかし、高校野球をはじめとする野球を支配しているのはマスメディアです。そのため、問題が山積していても誰も何も言えない、動けないし、動かない。
小林:僕は、高校生の部活動を何週間にもわたりNHKが全国ネットで放送することに疑問を感じています。甲子園中継をやめさえすれば、高校野球を取り巻くだいたいの問題が解決するのではないでしょうか。
あれほどまでに注目されることがなければ、過剰にスター化することもなくなります。強豪校が学校経営の手段として野球を利用することも少なくなるでしょう。そうなれば、中学生も高校生も、時代錯誤なスパルタの練習から解放されて、のびのびと野球を楽しむことができるようになるはずです。
玉木:MLB評論家の福島良一さんのお話によると、米国の高校野球はリーグ戦が主流です。3月~6月にかけて、地区リーグ、州リーグで戦います。各学校、部員数は20名程度。皆、野球に加えて他のスポーツにも取り組んでいるそうです。
リーグ戦で活躍した選手は、夏になると野球スカウトイベント「ショーケース」に招待されます。ショーケースには、MLB球団や大学のスカウトもやって来ます。
ショーケースに出場する高校生の多くは、MLB球団からドラフト指名されたり、奨学金を得て名門大学に進学するそうです。日本の高校野球でも、こういった仕組みを取り入れていってほしいと思います。