「夏の大会」の時期が動かせないのは本当か?

──先ほど、セルジオ越後さんの「補欠でAチーム、Bチームを結成し、試合をさせる」というご提案がありました。なぜ、このアイディアは実現されないのでしょうか。

小林:「時間がない」「場所がない」というのが、関係者側の言い分だと思います。

 僕は、夏の大会の時期を秋にずらせばいいと考えています。土日のみで、各学校の野球グラウンドを利用して試合をすればいいというのが僕の発想です。

 甲子園に出場するような強豪校のほとんどが、毎週末、遠方まで練習試合に行っています。そのような学校のほとんどはマイクロバスを所有しています。土曜日に出発して試合をし、日曜日に帰って来る。これは既に当たり前にやられていることです。

 つまり、甲子園の試合を土日でやることは、それほど難しいことでもないのです。

2012年春の甲子園大会で、大阪桐蔭の藤波晋太郎から先制本塁打を打つ花巻東の大谷翔平(写真:共同通信社)

 高校野球においては、甲子園のみがものすごい価値があるような捉え方が、長きにわたってされてきました。そろそろ高校野球に新しい価値を見出し、それを発信していく時代に入りつつあるのではないでしょうか。