遺書のようなものは見つかってないようで、動機はいまのところ明らかになっていない。自殺が報じられた直後にはSNS上で女性ホルモンの投与による影響ではないか、とする見立ても広がったが、この壮絶な誹謗中傷が自殺に追い込んだとの憶測が主流となっている。
当人が女性ホルモンを投与していたかどうかは別として、1990年代にいわゆる日本の「ニューハーフ」を取材した時に、女性ホルモンを定期的に注射しているという複数人にインタビューをしたことがある。最初は普通に話していたはずが、いつの間にかテンションが上がって話がまとまらなくなったり、喫茶店で話していて隣のテーブルの客を驚かせたりすることなどがあって、本人たちも認めていたように情緒が不安定になる場面を知らされたことがあった。
日本の若者の死因トップは「自殺」
だが、そもそも自殺に関していえば、日本は異様な国である。10代、20代、30代の死因の第1位は自殺が占めるからだ。しかも、若者の自殺が多い傾向は20年以上変わらない。こんな国は、先進国と呼ばれる中でも、日本だけだ。
この問題については、3年前に芸能人の自殺の報道が相次いだところでもまとめている。
そこでここでは、直近の令和に入ってからの統計をもとに検証してみたい。