9月3日、国連児童基金(UNICEF=United Nations Children's Fund)が「子供の幸福度」調査で、日本は、世界の比較的裕福な国々38か国の中で20位、真ん中より少し下の席次に評価されたことが発表されました。
嫌な指標ですが、分かりやすい偏差値でいえば45とか48程度のランクです。
問題は、この結果を「そうか、真ん中ぐらいなのか・・・」と見るべきではないことにあります。
実は、身体的健康度という観点からは、日本は世界でダントツの1位となりました。健康は優良児なのです。
ところが同時に、精神的な幸福度、すなわち子供のメンタルな満足度や、自殺率による評価で、日本は38か国中37位。ほぼ最下位で、メンタルは病的な状態に近い。
またソーシャルスキル、つまり読み書きそろばんなどの能力に加えて、会話し人とやり取りし、自己実現していく能力については27位と、最後尾30%の成績、ほとんど落ちこぼれています。
それらを合算した結果が20位で、偏差値にすれば約45。その中身をもう少し詳しくみていくと次のようになります。
●Physical health:体だけは健康。しかし、その実態は乳児死亡率が低いとか、欧米先進国でも貧困層にみられる極端な肥満児などが少ないといった理由での1位です。
つまり日本の食文化などに支えられた成績に過ぎません。
●Skills:グローバル社会で生きていくうえでの逞しさは、下位30%で落ちこぼれつつある。
●Mentalwell-being(精神衛生、自殺率など):未来への不安や希望の欠如、精神的な不幸の観点からは先進国で最低最悪の水準にある。
このような極めて由々しい状態が赤裸々に示されてしまいました。