厚生労働省は毎年「人口動態統計」を公表している。その中に、年齢(5歳階級)別にみた死因順位というものがある。
この令和元(2019)年の報告書をみると、15〜19歳、20〜24歳、25〜29歳、30〜34歳、35〜39歳の死因の第1位はいずれも「自殺」が占める。第2位は「不慮の事故」と「悪性新生物<腫瘍>」すなわち「がん」となっていて、40〜44歳、45〜49歳では第1位が「悪性新生物<腫瘍>」であっても、第2位はいずれも「自殺」が続く。
さらに令和2(2020)年になると、この傾向はまったく変わらないどころか、より年少の10〜14歳の死因の第1位までが「自殺」となった。すなわち、日本人の10代、20代、30代でもっとも多い死因は「自殺」が占める。
先進国の中で日本のほかにこんな国なし
令和3(2021)年になっても、この順位に変動はない。それどころか、15〜19歳、20〜24歳、25〜29歳で「自殺」で死ぬ人の構成割合はいずれも50%を超す。つまりこの年代に死亡する人の半数以上が「自殺」で自ら命を絶っていることになる。この傾向は前年から続く。
そして、昨年令和4(2022)年。こちらは報告書にまとまる以前の「月報年計(概数)」の段階だが、やはり10代、20代、30代の死因の第1位は「自殺」である。しかも男性に限っては、40〜44歳の死因の第1位も「自殺」だった。
これは令和に入ってからの傾向ではない。繰り返すが、平成の時代を通して20年近く続いている。そして、先進国の中でも、10代、20代、30代の若者がこれほどまでに自ら命を絶つ国もない。