しかし、在日韓国人3世で韓国在住の事業コンサルタントである豊璋氏は、日韓で生活した体験をもとにコラムも執筆しているが、彼によれば、暮らしやすさという点では断然日本が上であり、韓国内では日本製品が品薄になるほど大人気で、やはり「日本最高」「韓国が日本を越えたというのは間違いでした」という実感を受けるというのである。
数字で表される経済水準と実際の生活感、このギャップをどう考えればいいのだろうか。
韓国は成長を続ける国ではなくなった
率直に言えば現在、韓国経済は苦境に陥っている。中央日報が「ピーク・コリア」の到来を指摘したように、すでに昔日の面影は失われつつある。
韓国政府は、上半期に停滞した景気が下半期に反騰する「上低下高」傾向を見込んでいるが、見通しは不透明だ。反騰するという予測の根拠は、半導体景気の反騰と中国のリオープニング(経済活動再開)効果への期待だという。ところが現実には中韓の間を冷ややかな風が吹き抜けている。中国経済の恩恵をどれほど受けられるのかは心もとない。
韓国の産業界は肌感覚でどう見ているのか。全国経済人連合会が14日、「韓国経済を襲った輸出寒波、産業別見通し」を主題にした下半期産業見通しセミナーを開催した。そこでは、「今年下半期の輸出減少水準は縮小するが、対外経営環境が依然として悪く、低い経済成長率を記録するだろう」との分析がなされたという。半導体の輸出減少率は下半期にも12.8%になるという厳しい予想が示された。鉄鋼・石油化学業種も乱調傾向を帯びる見通しという。反面、二次電池と自動車、造船・防衛産業は世界的需要が回復すると予想している。
韓国貿易協会のイ・ボンゴル中国チーム長は、中韓関係についてこう懸念を評している。
「韓中の外交関係がふさがれば、時差を置いて経済交流悪化につながるケースが多かった」
「対中国輸出の回復が予想より弱い状況で中国発の悪材料が続けば、韓国経済の反騰と財政健全性の回復は難しくなるかも知れない」
このように韓国の産業界は、自国の経済見通しについて大きな不安を抱えているのだ。