ウクライナの大規模な反転攻勢はいつ始まるのか。
ロシア国防省は、6月5日、ウクライナ軍が大規模な反転攻勢を開始したと発表した。
一方、ウクライナのマリャル国防次官は6月4日、SNSで反転攻勢について、「計画は沈黙を愛する。開始の宣言はない」と述べた。
ウクライナ軍の大規模な反転攻勢は、既に沈黙のうちに大きく動き始めている可能性がある。
元産経新聞モスクワ支局長の佐々木正明氏は、「今回の反転攻勢は天王山。失敗すると、西側は兵器供与をやめて、領土奪還できないまま停戦を促すかも」という最悪のシナリオを述べている。
筆者の見立ても佐々木氏とほぼ同じである。
筆者は、ロシア・ウクライナ戦争の長期化は避けてほしいと思っている。是非とも、今回の大規模な反転攻勢で、ウクライナ軍が大勝利して、停戦交渉又は和平交渉を開始してほしいと思っている。
これまで4回の対面での交渉と1回のオンラインでの交渉が行われた。
最後の第5回目の交渉は、3月29日、トルコの仲介によりイスタンブールで開催されたが、いまだウクライナ戦争の終結に向けての和平交渉再開への道筋が見えてこない。
さて、本稿では戦争の終結の方法について過去の歴史を振り返り、ロシア・ウクライナ和平交渉の見通しを探ってみたい。
初めに、一般的な戦争終結の流れについて述べ、次に戦争終結の実例として、朝鮮休戦会談と日露講和会議について述べ、最後にロシア・ウクライナ和平交渉の見通しについて述べる。