6月6日に決壊したカホフカ水力発電所のダム(提供:Ukraine's Presidential Office/AP/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 ウクライナ戦争のこれからの展開は全く予想がつかない。ウクライナは反転攻勢に乗り出すと言い、ロシアもそれを迎え撃つための準備を急いでいる。この戦争は、軍事のみならず、情報戦の様相を濃くしている。ウクライナとロシア、どちらの主張を信じればよいのか。

ダムは誰が破壊したのか?

 6月6日、南部ヘルソン州のドニプロ川にあるカホウカ水力発電所のダムが破壊され、大規模な洪水が発生した。そのため、1万6000人の住民が避難した。ウクライナはロシアが破壊したと主張し、ロシア側はウクライナによるテロ工作だとして、お互いに相手に責任をなすりつけている。真実はまだ分からない。

 ロシアにとっても、ウクライナにとっても、ダム決壊によるマイナスの影響は大きい。しかし、戦争であるから、軍事施設のみならず、インフラの攻撃が行われるのは想定しておかなければならない。

 ロシアが破壊したという主張が西側諸国では支配的であり、また、そのほうが世論受けもよいが、本当のところは分からない。情報の専門家なら「分からない」と答えるはずだ。

 衛星写真の解析によると、5月28日時点ではダムは正常だったが、その後、ダムにかかる橋に何らかの異常事態が発生したようで、6月5日時点で橋の一部が損壊していることが確認されている。CNNは、1日から2日にかけて橋の一部が流されたと報じている。