この正義連は文在寅政権下で慰安婦合意が実質的に破棄されるのに大きな役割を果たし、その功労で尹美香・正義連理事長は比例代表として国会に議席を獲得した。

 しかし、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏が尹美香氏の寄付金横領疑惑を提起したことで、尹氏は横領をはじめとする8つの疑惑で検察によって起訴され、1審で一部横領疑惑が認められた。現在は2審が進行中だ。さらに正義連が挺対協と統合した後も、挺対協の名義で政府から支援金を受け取った事実も確認され、「二重受領」との非難も浴びた。

正義連の不正のせいで慰安婦問題に愛想つかす人が続出

 この事件を契機に、不幸な歴史の被害者を助けることを標榜している市民団体が、実は歴史を利用したビジネスを展開していたとの国民的非難に直面した正義連は、すっかり国民からの信頼を失い、慰安婦問題そのものから韓国国民の関心が離れるという結末を招いてしまった。

 元徴用工たちを助けるために作られた市民団体が賠償金の20%を払わせるために遺族に「内容証明郵便」を送ったことは、果たして彼らの主張どおり「望ましいこと」なのか。それについては今後の国民世論が判断するだろう。

 もし今回の一件で市民団体に対する国民世論がまた悪化すれば、長い間動かなかった徴用工賠償問題が「解決」に向けて大きく動くことになるかもしれない。そうなれば市民団体にとっては皮肉なことである。