サンダスキー事件による大学の負担は2億ドル

 同大学の学長、副学長、元アスレチックディレクターも、サンダスキーの行為を知っていたにもかかわらず、それらを隠そうとし、警察当局への通報を意図的に行わなかったとされ、偽証、司法妨害、子供虐待の疑いの報告義務違反、および関連の罪で起訴されたのだ。

 裁判の結果、それぞれ有罪判決を受け、数カ月間、刑務所に服役している。

 さらに、ペンシルバニア州立大学も多大な負担を強いられることになった。

 同大学は、事件の発覚後、独立した第三者機関による調査を行うことを決定し、元FBI(連邦捜査局)ディレクターを雇って調査を行った。米国では、組織や会社による悪行がいったん明るみに出れば、マスコミは納得するまで追及の手を緩めることはない。それゆえ、大学としても「臭いものに蓋」でうやむやに葬ることができない。

 そして調査の結果、多くの性的虐待やそれらの関連する不適切な行為があったと結論付けた。

 その後、NCAA(全米大学体育協会)は同大学のフットボールプログラムに制裁を加えることを決定し、それらの制裁には4800万ドル(現在の為替レートで65億円)の罰金が含まれている。

 その他に、同大学が被害者との和解に支払った金額は9300万ドル(125億円)。最終的に、サンダスキー事件による同大学の負担総額は2億ドル(270億円)と言われている。