「ロシア軍に量で勝てないなら質で上回ればいい」

 米国の月刊誌「アトランティック」は、「民主主義世界の未来は、ウクライナ軍がロシアとの膠着状態を打破し、後退させることができるかどうかによって決まる」と指摘している。要するに、ウクライナ戦争の行方は、ウクライナとロシアだけの問題ではなく、民主主義世界の問題でもあるという指摘だ。

 ウクライナ軍はロシア軍に量で勝てないなら質で上回ればいいという信念を持っている。同誌は記事の中で、ウクライナの国会議員で軍大佐でもあるロマン・コステンコ氏の「ウクライナ軍が勝利する唯一の方法は、より賢くなることだ」という言葉を紹介している。

「勝利とは2014年以降にロシアに奪われた土地も含め、国際的に認められた国境内のすべての領土についてウクライナが主権を保持することだ。第二にウクライナ市民がロシア軍の攻撃から安全であることを意味する。第三にある種の正義を意味する。戦争犠牲者、家や手足を失った人々、親から引き離された子どもたちの正義を実現することだ」

 そしてそのためには、西側からの軍事面での支援が欠かせない。

 ロシア軍は大量のイラン製ドローン「シャヘド」による攻撃でウクライナ市民を危険にさらしている。ウクライナ市民の安全を守るには、防空システムの強化が不可欠だ。米国はウクライナにはまだ戦闘機や最新鋭の長距離ミサイルを与えていない。米欧がまず勝利のための計画をしっかり立てなければ、ウクライナの勝利はおぼつかなくなる。