ウクライナ国防相「反攻作戦への期待は世界的に過大評価されている」

 米紙ワシントン・ポストは「反攻作戦への期待は世界的に過大評価されている」というウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相の懸念を伝えている。

 現在、約50万人のロシア軍がウクライナ戦争に集中しており、少なくとも30万人がウクライナ国内にいるとレズニコフ氏は指摘している。

 西側諸国が戦車やハイマースのようなロケット砲、M777に代表される榴弾砲をウクライナに提供しても、それだけで反攻に十分というわけではない。

 ゼレンスキー大統領は同紙に「戦場での勝利が大きければ大きいほど、率直に言って、人々はわれわれを信じ、より多くの援助を得られると信じている」と語っている。しかしウクライナ軍がロシア軍を昨年2月24日の侵攻開始前の位置にまで押し戻すことは不可能ではないにせよ、難しいだろうとの軍事専門家の見方が一般的だ。

 ワシントン・ポスト紙が挙げるウクライナ軍の反攻シナリオは次の7つだ。

(1)ザポリージャ原発を奪還
(2)カホフカ水力発電所を奪還(カホフカ水力発電ダムはクリミア半島に水を送る重要な運河の水源となっている)
(3)ザポリージャ州南下作戦(ザポリージャ州を南下してメリトポリを奪還し「陸の回廊」を分断する)
(4)クリミア半島を攻撃
(5)ハルキウ州クプヤンシクから東進
(6)バフムートとソレダルの奪還
(7)ドニプロ川渡河作戦