G7の暴走を食い止めるのは日本しかない

 どの国も、極端な脱炭素に邁進し、エネルギー安定供給やエネルギー安全保障をおろそかにしてきたことを認めていない。すべてをロシアのせいにし、相変わらず脱炭素に邁進することで、エネルギー安全保障も同時に確保されるなどと強弁している。

 この状況では、エネルギーや脱炭素の問題についてG7でまともな議論をすることは難しかろう。その中にあっての日本の役割として、今回の成果文書においては、何とか、火力発電の廃止年限の設定などのさらなる脱炭素政策の強化という、一部の国の提案による暴走を食い止めた点は評価できる。

 昨年末の中間選挙において米国では共和党が下院で過半数を取った。来年末に選出される新しい大統領も共和党かもしれない。

 共和党は極端な気候危機説は科学的に正しくないと見ているし、民主党が2050年CO2ゼロを目指して進めているグリーンディールはロシア・中国に対して米国を弱体化するもので、不適切だとしている。

 もし共和党の大統領になれば、G7の論調も大きく変わるだろう。ただし今のところ、G7のエネルギー政策がグリーンなイデオロギーではなく理性に基づくものにするために日本が奮闘するしかない。

 G7が、これ以上、化石燃料の否定を続ければどうなるか。