“プーチンの忠実な犬”ドミトリー・メドベージェフ前露大統領は「ICCはプーチン大統領に逮捕状を発行した。この紙を使うべき場所を説明する必要はない」とツイートし、トイレットペーパーの絵文字を添えた。

 メドベージェフは民間軍事会社ワグネルにグイド・クロゼット伊国防相殺害の懸賞金1500万ドルを提供したとイタリア紙に報じられた。クロゼット国防相は、ワグネルがウクライナを支援する西側諸国への反撃手段として、欧州への不法移民流入をあおっていると非難した人物だ。

金魚鉢のように小さくなった「プーチンの世界」

 クレムリンのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「逮捕状は言語道断であり、容認できない。ロシアは多くの国と同じようにICCの管轄権を認めておらず、ロシアにとっては無効だ」とツイートした。

 米国と激しく火花を散らす中国の習近平国家主席は3月20日からモスクワを訪れ、盟友プーチンと会談する。しかし「プーチンの世界」は金魚鉢のように小さくなった。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「歴史的な決定であり、歴史的な責任追及が始まる。テロ国家のトップとロシア高官が戦争犯罪の容疑者となった。何千人ものウクライナの子どもたちをテロ国家の領土に不法に移送した。占領軍による子どもたちの強制移送はすでに1万6000件以上、刑事手続きに記録されている」と憤りを隠さなかった。

 ウクライナはロシアからそのうち300人余の子どもたちを取り返したという。

「テロ国家のトップの命令なしにこのような犯罪は行えない。子どもたちを家族から引き離し、ロシア領土内の遠隔地に強制移送する。これらはすべてロシアの明白な国策、国家の悪である。それは国家のトップから始まっている」とゼレンスキー氏は語気を強めた。