(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)
開戦から丸1年が経過したロシアとウクライナの戦争は、現在も終息する兆しが見えません。両軍ともに世界各国へ自国への支持を訴えつつ戦闘を継続する姿勢を継続しています。
現在、日本や米国を含む西欧諸国はウクライナ側を支持し、軍事兵器の供与など様々な支援を行っています。一方、中国やイランなど伝統的な反米国はロシアを支持する立場を取っています。また、インドは中立的な立場を取るなど各国で異なる姿勢が見られます。
では中国は、どこまでロシアを支持しているのでしょうか。「完全にロシア支持」と言い切れるのでしょうか。政府、メディア、一般人の3つの視点から、中国のロシアに対するスタンスを見ていきたいと思います。
軍事戦略面でパートナーだが戦争には一定の距離
まずウクライナ戦争に対する中国政府の立場を述べると、明確にロシアを支持しています。
中国にとってロシアは、少なくとも冷戦崩壊以降、軍事戦略面で最も関係深いパートナーであると言えます。「反米」という立場で共通することから、外交面で共同歩調を取ることも少なくありません。