ロシアによるウクライナ侵攻の数日後、メッセージアプリ、テレグラム・チャンネルを開設。昨年7月、ドンバス地方のロシア語で「今週中にロシア国籍を取得したドンバスの108人の孤児が両親に迎え入れられます。幸せな子どもの笑い声を耳にした時、私は涙をこらえられませんでした」と書き込んだ。

ウクライナの子どもたちを「ロシアの社会と文化に統合すること」をたくらむ

 米イエール大学公衆衛生大学院人道研究所紛争監視団は「マリア・ルボヴァ=ベロヴァは大統領府子どもの権利担当委員として、ロシアによるウクライナの子どもたちの強制移住と養子縁組、ウクライナの子どもたちをロシアの社会と文化に『統合』する収容所の利用などに最も深く関わっている人物の一人だ」と断罪した。

 15歳のときルボヴァ=ベロヴァは弟と一緒に入院した。捨てられた赤ん坊を見て「ロシアのすべての子どもたちが大人からのケア、サポート、関心を受けられるよう、将来、頑張ろう」と誓ったという。露ペンザ州で障害者を支援する非営利団体を創設し、プーチンの政権基盤である与党・統一ロシアに入り、2020年から上院議員を務めた。

 21年10月、子どもの権利担当委員(任期は5年)に任命されたルボヴァ=ベロヴァはビデオ通話でプーチンから「あなたは仕事でも家庭でも子育てでも非常に優れた幅広い経験を持っている。この役職はあなたの知識、技術、専門性をすべて使って多くの家族と子どもにとって有意義な結果を出す機会を与えてくれる。引き受ける準備はできているか」と問われた。

 ルボヴァ=ベロヴァは「家庭、教育、健康に対する子どもの権利保護に焦点を当て、社会的地位、居住地、健康状態にかかわらず、すべての子どもに平等な条件を整えることが極めて重要です。委員の使命はそれ以外の何物でもありません。私には実子5人、養子4人の計9人の子供がいます。13人の障害者も私の保護下にあります」と答えた。