これが強制移住、養子縁組、再教育の実態
ウクライナの子どもたちの強制移住、養子縁組、再教育の実態はどうなっているのか。
ニュースサイト「ウクライナの新しい声」によると、昨年8月末、当時ロシア軍の占領下にあったハルキウ州東端クピャンスク出身の15歳の少年はロシアにサマーキャンプに出掛けた。20日間滞在の予定だった。9月が過ぎ、クピャンスクはウクライナ軍に解放された。
しかし少年は戻らなかった。母親はウクライナの子どもたちの帰還に取り組む慈善団体「セーブ・ウクライナ」に訴え、12月に他の母親たちとともにサマーキャンプが行われたロシア・黒海北岸の都市アナパに行く計画を立てた。44人の子どもたちが両親のもとに戻ることができた。さらに16人の帰還が予定されているという。
イエール大学の監視団は昨年2月24日以降、拘束されている生後4カ月から17歳までのウクライナ出身の少なくとも6000人の子どもたちの情報を収集した。直近の移送は今年1月に行われていた。両親、明確な後見人がいる子ども、ロシアから孤児とみなされた子ども、重度の身体的・精神的障害がある子ども、戦争で親権が不明確になった子どもがいた。
監視団の報告書によると、43施設のうち41施設はロシア占領下のクリミアやロシア国内のサマーキャンプだった。12カ所は黒海周辺、7カ所はクリミア、10カ所はモスクワ、カザン、エカテリンブルクにあり、ウクライナとロシア国境から800キロメートル以上離れた場所にあったのはシベリア2カ所、極東1カ所を含む計11カ所だ。