眞子さんを見送られた「思い出深い場所」

 御仮寓所は赤坂御用地の秋篠宮本邸から、東側にわずか50mほどの距離に建てられた、鉄筋コンクリート造りの3階建てで、延べ床面積は約1378m2。それまでお住まいだった宮邸よりも約190m2狭い。

 しかし、佳子さまがおひとりで暮らされるには、もてあますほど広い。

 御仮寓所が全国に知れ渡ったのが、2021年10月、小室眞子さんが結婚の記者会見に臨んだ時だ。ご家族に見送られて現れた眞子さんに、佳子さまがハグされたのが、この御仮寓所の玄関だったのだ。

 姉・眞子さんとの絆が強い佳子さまにとって、御仮寓所は思い出深い場所でもある。そういった意味でも、眞子さんの私物が残ると言われている御仮寓所は、佳子さまにとって特別なのかもしれない。

佳子さま(右)と姉の眞子さん(写真:Motoo Naka/アフロ)

 他方、山下氏は、もっと現実的なのではないかと語る。

「公務をされるにあたって、御仮寓所には必要な書籍や資料もたくさんあるでしょうし、またパソコンの位置はここ、リモートする場所はここと決めて、ご自分なりの使い勝手の良いレイアウトになっていると思います。それを変えたくないということもおありなのではないでしょうか」

 振り返れば、佳子さまが国際基督教大学を卒業されたのが、2019年の3月。その1カ月前、ご一家で御仮寓所に引っ越されている。つまり学業を終え、公務を務められるようになったのは御仮寓所に暮らしてからのことであり、社会人としての一歩を踏み出したのも、この御仮寓所からであった。

 2021年の5月には「一般財団法人全日本ろうあ連盟」に非常勤嘱託職員として就職し、10月には姉の眞子さんから「日本テニス協会名誉総裁」の職を受け継がれた。

 いわば御仮寓所は、佳子さまが成年皇族としての始まりのドラマが刻まれているのだ。