アインシュタインは子供が研究の妨げになるなどとは思いもしなかったはずだ

 厚生労働省は2月28日、2022年日本国内での出生数が前年度比5.1%減の79万9728人で80万人の大台を割ったと発表しました。

 これは我が国で人口統計を取り始めた1899年、つまり明治32年以来、最も少なく、分かりやすく言えば明治以降の近代日本は人的には滅亡しつつあるということになります。

 まあ、自業自得と言えるでしょう、こんな行政施策を続けてきたのだから、当然の結果としか言いようがありません。

 今回発表された数字には、日本国内で出産された外国人の赤ちゃんも含みます。

 つまり、日本国内という社会環境は「子供を産み育てるのに適していない」状況であることを如実に示しています。

 それは19世紀末、日露戦争前の明治時代から考えても、過去最低最悪の低レベルな政治が国を滅ぼしつつあるもの、とはっきり直視する必要があるでしょう。

 大手メディアのなかには、明らかな誤り、というよりは虚偽に近いと言った方がよいかもしれない、おかしな記述も見られました。曰く

「2021、22年と新型コロナウイルスの感染症拡大のため、婚姻数が減少した影響」うんぬん・・・

 手元にある報道では、厚生労働省の人口動態統計速報値として

2021年 婚姻数 51万4242件
2022年 婚姻数 51万9823件

 とほぼ横ばいながら5000件ほど数は増えており「コロナ禍で婚姻数」は減少していません。

 どこのメディアとは言いませんが、大手メディアがこういうことを書いてはいけないと思います。

 結婚の数が減ったわけではない。夫婦が子供を作り控える傾向に拍車がかかったから、5%もの急減が発生し「日本で生まれる人」の数が激減しているわけです。

 参考まで、第2次ベビーブームの1972~73年、日本の年間出生数は209万人を数えていました。

 ところが、1975年に200万人の大台を割り込み、昭和後期の1984年には150万人を下回る急速な人口減が観察されました。

 その後、1990年代からの「平成時代」には、人口減の傾向は続くものの、減り方にはブレーキがかかり、100万人の大台を割ったのは2016年のこと。

 200万人→150万人の減少が1975~84年とたった9年であったのに対して、150万人→100万人の減少には1984~2016年と32年を要しました。

 こうした傾向から、2033年頃に割り込むとみられていた「80万人の大台」でしたが、たった7年で2割減。

 この「半減期」で進むとしても2016年から14年後の2030年頃の出生数は64万人程度、2037年には50万人の大台が危うくなるでしょう。

 あと40年もすれば、今のペースで進んでも年間出生数は20万人を切るはず。

 これに対して、年間死亡数は150万人台を続ける見込みです。つまり、毎年100万人規模で人口が減っていく。

 仮に1億人の人口だって毎年100万減っていけば1世紀で国家としては壊滅します。

 現行の政策を続けているかぎり、日本という国に22世紀は訪れない・・・22世紀には体制が全く違うものになっていると考える方が、自然な予想ということになるでしょう。

 私たちはどうすればよいのでしょうか?

 先に結論を言ってしまえば、大規模な移民政策の拡充など、かなり思い切った方法で「日本という国を違うものにする覚悟」を決める必要がある。

 そうでなければ、未来はまずない、絶望的と考えておく方が無難と思われます。

 しかし、改めてどうして日本人の人口は減り続けているのでしょう?