名門イェール大学も「ありえへん」と思ったに違いない

 おかしな肩書、おかしな扮装で、多分に背景があってのことでしょう。

 メディアに登場する電波芸者的な日本人キャラクターから「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」といった発言があったとニューヨーク・タイムズが報道しました。

 各国のメディアも後追い報道して、いわゆる炎上を見せています。発言が言語道断なのは言うまでもありません。

 この低レベルな発信が見落としていた一点は、日本国内向けに横文字の肩書で舶来のハクをつけたつもりで日本語で発言した内容が、日本以外に知れ渡ることはまずないと思い込んでいたことでしょう。

 しかし、米国アイビーリーグの大学名などと共に発信すればただ事では済まないという事実が全く分かっていない。完全な「国際感覚欠如」を世間に晒してしまいました。

 すでに現下のAI化が進んだグローバル情報社会ではこうした詐術は通用しません。かなり古いタイプの低レベルな発想と言わねばならない。

 現実にはこんな報道が駆け巡っています。

「A Yale economics professor has some ideas for how to deal with the burdens of Japan’s rapidly aging society. The “only solution,” he said, is mass suicide of the elderly, including ritual disembowelment.」

「イェール大学の経済学助手が急速に進む日本社会の高齢化への対抗策と称し、『唯一の解決策』は『いわゆる<ハラキリ>儀式を含む老人の集団自殺しかない』などと発言した」

 これはマズい。特に日本語で、何の了見もなく気軽に使ったのだと思われる「切腹」が「ritual disembowelment(宗教儀礼的割腹自殺)などと訳されてしまうと、国際社会は「カミカゼ・ハラキリ・フジヤマ・ゲイシャ」的な短絡を起こしても不思議ではありません。

 容易に第2次世界大戦とファシズム、特にナチスによるホロコーストを想起します。

 全世界のユダヤ系知識人から総すかんを食い、二度と国際社会で学者ずらできるポストは手に入らなくなる可能性がある。

 国内で「炎上」あたりを狙った短慮な若者のくだらない発言ですが、似て非なる情報発信を行う匿名子も目にすれば、あり得ないことですが「擁護」するような書き込みも目にしました。

 ということで、この「年寄は老害化する前に集団自殺しろ」発言が、どのような見地から見てもグローバルに許容されない理由を3つの方向から記してみます。