ウクライナ戦争から1年、終わりの見えない戦いは、日本での「成田闘争」が想起される。写真は1971年9月30日、機動隊めがけて火炎瓶を投げる学生(写真:AP/アフロ)

 前回稿「『高齢者は集団自決』暴言はどの程度ダメなのか?」は、予想を超えて大きな反響がありましたので、同様の観点から「まる1年継続しているウクライナ戦争」の現状を立体的に考えてみたいと思います。

 周知のように2022年2月24日、ロシアは自称「特別軍事作戦」を開始しウクライナに侵攻、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は当初、電撃戦で首都キーウを制圧、ロシアの一方的な勝利による短期決戦を念頭に置いていたようです。

 しかし、現実にはそのような展開とはならず、開戦から丸一年が経過してしまいました。

 なぜここまで戦争が長期化しているのでしょうか。

 その理由を1つに絞ることは容易ではありません。しかし付随して言えることはあります。

「戦争ビジネス」が回るうちは、ロシアのウクライナ侵攻と武力衝突で活況を呈する経済が存在するという事実です。

 一方的に攻撃を仕掛けたロシアが言語道断なのは言うまでもありません。

 ではウクライナ側が常に「錦の御旗」美しい神話に彩られた正義で貫かれているか、と問われれば、およそそのようなことはない。

 すでにJBpressでも、舛添要一さんが明快に述べておられる通り(「西側に戦車提供を求める裏で汚職まん延、ウクライナの『裏切り』」)、ウクライナでは軍事インフラを含む多方面で深刻な汚職の実態が明らかになっています。

●オレクシイ・レズニコフ国防相、ヴャチェスラフ・シャポヴァロフ国防副大臣は、軍用の食料品を一般小売価格よりも高値で調達していた容疑で解任。

●ヴァシル・ロジンスキーインフラ省副大臣は発電や暖房関連の設備調達に、契約額をつり上げて業者を潤した見返りに、40万ドル(約5200万円)の収賄容疑で罷免。

 また、これは「汚職」とはやや性格を異にするものの、

●オレクシイ・シモネンコ副検事総長は2023年1月、家族とともにスペインで10日間の休暇を楽しんでいたことが暴露され即刻罷免。

 戦時下で成人男性の出国が厳しく制限される中、政府高官がファミリー・バカンスを楽しんでいたわけで、日本でいえば昭和19年、敗色迫る太平洋戦争末期、国民には赤心報国一億玉砕を強要しつつ司法幹部がカリブ海リゾートで昼寝していたくらいあり得ない事態です。

 ロシアもロシアなら、ウクライナもウクライナであって、およそどこかに「正義」などというものがあると思うのが間違いのもと。

 あるのは純然と「悪と悪」「暴力と暴力」の拮抗であって、戦争に大義を求めるということ自体が、たちの悪い勘違いと言うべきかもしれません。