軍事委、財務委とも対中強硬派委員長
中国のスパイ気球による米国領空侵犯が米議会の反中国審議に火をつけた。
中間選挙で下院を制覇した下院共和党が選挙公約でもあった対中国強硬路線を前面に押し出した。
下院軍事委員会(マイク・ロジャース委員長=アラバマ州選出)と財務委員会(パトリック・マクヘンリー委員長=ノースカロライナ州選出)が2月7日、中国に関する聴聞会を同時に開催した。
前会期からの積み残し法案を含め、反中国法案は財務委員会だけで17本もある。
軍事委員会は「米国の国防に対する中国共産党からの今そこにある脅威」(The Pressing Threat of the Chinese Communist Party to U.S. National Defense) と銘打った聴聞会。
財務委員会は「中国の経済的脅威との闘い」(Combatting the Economic Threat from China)がテーマの聴聞会だ。
聴聞会は事前に予定されていたとはいえ、中国スパイ気球による米国領空侵犯が米メディアを騒がしたこともあって反中派議員にとっては「渡りに船」だった。
下院軍事委員会・聴聞会の冒頭、ロジャース委員長は次のように述べた。
「ジョー・バイデン政権は先週、中国共産党のスパイ気球が米国の最も重要な軍事施設の一部を横切ることを許した」
「これにより中国のスパイ活動がすべての米国人の目に完全に明らかになった。気球が現れたのは計算された武力示威であることに間違いない」
「米国が直面している中国の脅威に対して、われわれはお人よしな対応をしてはならない。米国に時間的余裕はない。この脅威を跳ね除ける手段は今行動することだ」
「聴聞会名には『China』(中国)ではなく『Chinese Communist Party』(中国共産党)の脅威としたところに一党独裁の中国共産党を目の敵にする共和党の対中認識が色濃く出ている」(主要メディアのベテラン政治記者)